このサイトについて

すでに数年前に私はこう気づいていた。子供のころから私は、いかに多くの偽なるものを真なるものと認めてきたことか。そして、その後その上に築いてきたものが、どれもこれもいかに疑わしいことか。それゆえ、私がもし学問においていつか確固として持続するものをうち立てようと思うなら、一生に一度はすべてを根底からくつがえし、最初の基礎から新たに始めなければならない、と。

デカルト 『省察』*1

内容

このWebサイトは倫理学や政治哲学思想の紹介を目的として作られました。専門知識が無くても読みやすく、なおかつ極端な単純化は避け、学術レベルの議論にも踏み込めるような内容を目指しています。熟議を避けて結論を急ぐ姿勢が好まれる昨今ですが、社会正義のような基底的価値を論じることの切実さも日に日に高まってきているように思います。そうした潮流の中で、もしどなたかの思索の一助となることができれば、それ以上の喜びはありません。

哲学のとらえ方、現実と哲学

哲学は、現実的という言葉を安易な逃げ口上にしない姿勢を最も強く持つものの一つです。現実という言葉を逃避と表現するのは少し奇異に感じられるかもしれません。しかし、ただその時々の現実とされた枠内でのみ物事を扱っていくことは、可能性からの逃避です。見渡せばわかるように、現実と呼ばれるものの多くは人々の持つ価値体系こそが作り出しています。人種や身分階級、宗教が人の生死を左右していた時代もあれば、生まれた国家や商品を宣伝する能力がそれを左右する時代もあります。

そして、ある地点において成立している価値体系や闘争の形式に単におもねることは、必ずしも道徳的な真価を保証しません。歴史の時々で信じられてきた価値体系は、時には素晴らしく、時には凄惨でさえありました。これは私たちの生きる現代も同様です。人々の持つ考え方が人々の生きる現実を作り出すという視座に立つならば、思考様式そのものを考える哲学の営みは、可能性への挑戦に他ならないのではないでしょうか。

特に、リベラリズムについて

リベラルブームの終焉(とされるもの)とここ数年のサンデルブームの中で、リベラリズムがあたかも時代遅れであるかのように扱われる場面も散見されます。しかし、リベラリズムが持つ自由や平等への指向性は人間にとってあまりにも重大なテーマであって、避けて通ることはできません。そして、人それぞれ、文化それぞれといったような相対主義、相互無関心に終始せず、共生における普遍的正義としてリベラリズムをとらえることは、捨て去られるべき道ではないと考えています。

参考文献表記と脚註

参考文献表記の形式

HTMLとしての閲覧性とマークアップ上の理由から、参考文献は文中組み入れ方式〔著者 発行年: 頁〕を文末脚註に一括して表記し、文献表を別に用意するという形式をとっています。略記号は〈cf.(参照)、ch.(章)、ff.(以下数ページ)、〔……〕(中略)〉を使用しています。なお引用文中の〔 〕内は、前述の中略記号を除き、明示が無い限り著者、訳者の註になります。

脚註の機能

本文中の脚註番号をマウスオーバーすることで註の内容がポップアップ表示されます。ポップアップツールチップにはJavaScriptを使用しておりますので、JavaScriptが無効な環境ではUA標準のツールチップが使用されます。また、脚註番号をクリックすることで脚註と本文を相互に移動することができます。

脚註ツールチップの表示例

ただし、タッチデバイスの利便性を損なわないよう、iPhoneやAndroid端末ではこの機能を無効にしてあります。

技術的仕様

制作、動作確認環境

MacBook Pro 17inch Early 2011、OS X Lion、WUXGA (1920×1200) 、Safari 5Firefox 10にて制作、動作確認しております。動作につきましてはInternet Explorer 9 (Windows 7) 、Mobile Safari (iPhone 4S) においても確認しております。当Webサイトの表示に関して不具合がありましたらご連絡いただけると幸いです。

マークアップ

このWebサイトはHTML5でマークアップ、並びにCSS3でレイアウトの制御などを行っています。Internet Explorer 7等の古いWebブラウザには対応しておりません。HTML5のValidationについては2012年2月時点におけるW3C Markup Validation Serviceに準拠しています。

レイアウト

このWebサイトはCSS3を用いたリキッドレイアウトで作成されており、CSS3に対応したUAではウインドウサイズに応じてレイアウトが最適化されます。以下は1024px以上のウインドウサイズにおける表示例です。

Mac OS X、Safari 6での表示例

筆者、謝辞

筆者、サイト管理

このWebサイトの全コンテンツは高須という者が書いております。管理も私が行っておりますので、内容についてのご意見等ありましたら下記のe-mailアドレスまでご連絡ください。あくまでも個人的な興味関心をベースにしているため雑駁な部分、不正確な部分もあるかもしれません。何かお気づきの点があれば是非ご指摘をお願いいたします。

連絡先画像

謝辞

Favicon

当サイトの文章作成にあたって使用したPagesの出力文書を整形済みHTMLに変換するRubyスクリプトを書いていただき、また内容に関しても非常に多くの校正をして下さったUさん。下読み、数々の有益な指摘をして下さった北海道大学のTさん、大阪大学大学院のDさん。日々刺激をいただいてるTwitterのfollowing、followerの皆様。とてもデザイン性の高いFaviconを作って下さった千葉大学のK君。

私生活の様々な場面を支えて下さり、時には夜通しで刺激に満ちた会話や議論を楽しませていただいた慶應義塾大学のS君、この春から東京工業大学大学院に進学するS君、同じく様々な支えと示唆を与えてくださった明治学院大学のNさん、立教大学のMさん、Tさん。

参考文献として何度も引かせていただいた川本先生をはじめ現代倫理学研究会の諸先生方と大変お世話になったN先生。重ねてお礼申し上げます。

Comments are closed.